電力会社を乗り換える方法と知っておくべきポイント

電力自由化(2016年)により、地域毎に決められた大手電力会社以外の選択が出来るようになりました。しかし電力会社の乗り換えを1度も検討したことがない方も多いのではないでしょうか?電力会社を乗り換えることでほとんどの方は電気料金を安くすることが出来ます。毎月支払いが発生する電気代だからこそ、すぐに乗り換えを検討してみましょう。
私が実際に電力会社を乗り換えした方法と知っておくべきポイントについてご紹介します。電力会社比較サイトと比べて少し手間がかかりますが、乗り換えによる不安を解消し、確実に電気料金が安くなる乗り換えが出来ます。
電力会社を乗り換えると何が変わるのか?
電力会社毎に料金プランや電気使用量(kWh)あたりの単価が異なります。従来の大手電力会社と比べてお得な料金プランや単価の安い電力会社が沢山あります。本記事の方法で電力会社を乗り換えれば、ほとんどの方は電気料金が安くなります。
電力自由化により新しい電力会社が電気の売買を行うようになりましたが、これらの新しい電力会社は「新電力」と呼ばれています。「新電力」は「電気販売」のみを取り扱っており「発電」「送電」「配電」を行わない会社が多いのが現状です。(「発電」「送電」「配電」は従来の大手電力会社がこれまでどおり事業を行っていることが多いです。)
「新電力」へ乗り換えると電気料金の支払先が変わりますが、もしその「新電力」に何かトラブルがあっても従来の大手電力会社が「発電」「送電」「配電」を行います。電力会社を乗り換えしても今までと何も変わらなず安心して電気を使うことができます。
他にも電気料金の一部を環境保全運動に充てることが出来たり、自然エネルギーで発電した「環境にやさしい電気」を利用できるエコ料金プランが選べたり、電力会社によって独自性があり変わる点もありますが、大きく変わる点として「電気料金が安くなる」「支払先が変わる」の2点と考えてよいです。
必ず電気料金が安くなる電力会社の探し方
電力会社比較・乗り換えシミュレーションサイトも沢山あります。しかし一部のサイトでは「古いキャンペーン内容が掲載されている」「シミュレーションした結果、本当に最適な電力会社が表示されていない」など悪質な情報サイトもあります。
また電力会社のサイト内でも必ず乗り換えシミュレーションが出来るようになっています。しかしシミュレーション結果が目安料金となっていることも多く、実際にその結果を信用して契約すると、従来よりも電気料金が高くなって騙された!という声も多くあります。
電力会社は必ず経済産業省の認可を受けていますが、655社(2020年5月14日現在)存在しており、信頼できない電力会社も存在すると考えておきましょう。
これらの不安を回避するために、私が実際に行った手順を紹介します。
手順1で準備した検針票の内容をもとに「電力会社比較サイト」で乗り換えシミュレーションを行ってみましょう。悪質なサイトに騙されないように必ず複数のサイトでシミュレーションして、電気料金が安いと思われる電力会社を3社~5社程度候補としてピックアップします。候補選びのポイントは以下のとおりです。
候補選びの前提条件として、「乗り換え費用(初期費用)なし」「中途解約可能」「解約金が発生しない」会社を選んでください。ほとんどの電力会社は乗り換えに費用は発生しません。いつでも乗り換え可能です。キャッシュバック等の乗り換えキャンペーンの適用条件として契約期間が含まれることがあるので注意してください。
・乗り換えキャンペーンを考慮せずに電気料金そのものが安い電力会社を2~3社選ぶ
・乗り換えキャンペーンの特典がかなり大きな電力会社も1~2社選ぶ(1万円以上の特典がある等)
この方法で3社~5社の乗り換え候補となる電力会社をピックアップします。
我が家の場合「九州電力」から乗り換え候補となった電力会社は以下のとおりです。
1)楽天でんき
楽天経済圏に住んでいる我が家では、電力会社の乗り換えを検討し始めたきっかけが「楽天でんき」です。「電気使用量(kWh)あたりの単価」はそれほど安くないですが、基本料金無料に加え、楽天ポイントが沢山もらえる特典、キャンペーン特典が沢山あります。
2)熊本でんき
電力会社比較サイトではあまり乗り換え候補先に出てきません。ただし全国的に見ても「電気使用量(kWh)あたりの単価」が圧倒的に安く、シンプルに毎月の電気代がかなり安くなります。我が家は熊本を応援していることもあり、乗り換え先候補としました。
3)Looopでんき

電力会社比較サイトで必ず上位に入っています。1位評価しているサイトもあります。特に「ガス」「ソーラー」「蓄電池(Looopでんち)」「EV車」といったサービスとセットで契約した場合に電気代を安くすることができます。我が家ではセット契約は考えていませんが、全国的に勢いのある評価されている電力会社なので候補としました。
4)エルピオでんき

乗り換えキャンペーンがかなりお得な電力会社です。「電気使用量(kWh)あたりの単価」も安く、全体的に乗り換えしたくなる内容が満載なので候補としました。
以上、この4社に絞って乗り換え検討をしますが、この4社が乗り換え前提条件を満たしているかもチェックしておきます。時間かけてシミュレーションしたのに解約金が発生するといった手戻りをなくしておきましょう。
楽天 でんき | 熊本 電力 | Looop でんき | エルピオ でんき | |
---|---|---|---|---|
初期費用なし | ○ | ○ | ○ | ○ |
中途解約可能 | ○ | ○ | ○ | ○ |
解約金なし | ○ | ○ | ○ | ○ |
最終的に乗り換え先が決定してからでよいので、電力会社が公開している「電力需給約款」「重要事項説明書」には目を通して契約を確定しましょう。
この段階ではまだ乗り換え後に電気料金が高くなる可能性が残っています。次の手順3で確実に電気料金が安くなることを確認しましょう。
手順2で乗り換え候補となった電力会社のサイト上の料金表を確認しましょう。我が家の場合を事例として紹介します。
「楽天でんき(プランS)」の場合、2020年6月現在は以下のような料金体系となっています。我が家は九州電力エリアになるため、電気料金は基本料金は0円+従量料金 23.50円/kWhとなります。

次に手順1で準備した「過去12ヵ月分の電気使用量」を元にして、「楽天でんき(プランS)」の電気料金を手計算します。
以下の表が我が家の「九州電力」の月別使用量、電気料金と「楽天でんき(プランS)」の電気料金を計算したものになります。例えば、2020年5月の使用量は192kWhなので、電気料金は基本料金0円+従量料金23.5円×192kWh=4,583円となります。これを12ヵ月分エクセル等を使って手計算します。
注意点として、ここで計算された金額には「燃料費調整額」「再生可能エネルギー発電促進賦課金」といった料金が含まれていません。「九州電力」と料金比較を行うには「九州電力」の月別電気料金も使用量(または検針票)から計算したものを以下の表のように記載してください。

この作業を乗り換え候補の電力会社分行います。ただし「熊本電力」や「Looopでんき」のように、手計算しなくても12ヵ月の月別使用量を入力すると電気料金を計算してくれる親切な電力会社もありますので、全ての電力会社で手計算しなくてもOKです。1社あたり5分程度の作業です。
手順3の比較結果表のとおり、我が家の場合は「電気料金」は「熊本電力」が圧倒的に安い結果となりました。
ただし我が家の比較結果表にも記載していますが、「楽天でんき」は電気料金以外のお得な特典が沢山あります。また「エルピオでんき」は11ヵ月の契約継続縛りが適用条件となりますが、1万円を超えるお得なキャッシュバック特典(2020年6月現在)もあります。
我が家はキャンペーンにこだわらず毎月の電気代が確実に安くなる「熊本電力」に決定しました。
引越しの予定がある等、1年間だけの利用を考えた場合はキャンペーンのお得な「エルピオでんき」を選択するのも正解です。
楽天経済圏で生活していて毎月楽天市場で高額なお買物をする方は「楽天でんき」を選択するのも正解です。
電力会社の乗り換えを検討されている方の生活状況や何を重視するかによって、電力会社比較サイトのシミュレーション結果とは正解が異なります。自分自身で電力会社の比較結果表を作成し、比較内容を充実させることで自分に最適な電力会社乗り換えに辿り着くことができます。
新しい電力会社との契約時のポイント
これで乗り換え先の電力会社が決まり契約を行いますが、トラブルのリスクを減らすための工夫や、後悔しないためのポイントをご紹介します。
電力会社も電力会社比較サイトもビジネスとして皆さんが乗り換えをするよう誘導しています。都合の悪いことは目立たないように説明している可能性もあります。必ず「電力需給約款」「重要事項説明書」が公開されていますので契約前には自分自身の不利益が生じないことを確認しましょう。
また記載内容の解釈が難しい場合は、問い合わせをしましょう。私も実際に「熊本電力」へ3回ほど解約のことで問合せをして理解しました。
直接電力会社のWEBサイト上から申込みをしましょう。電話や代理店経由といった第三者が契約にかかわることを避けることで、悪質な詐欺にひっかかるリスクを回避できます。
電力会社は独自ポイントを設けていることがあります。ポイントを無駄にしないようポイント交換を行っておきましょう。
まとめ
「電力会社のシミュレーション」「電力会社比較サイトのシミュレーション」だけで判断することなく、自分自身で比較結果表を作成しましょう。各家庭の事情によって最適な乗り換え先は変わります。
我が家は4年間電力会社を乗り換えすることなく放置したままでした。年間1万円~1万5千円ほど節約できると考えると5万円ほど無駄にしてきたことになります。過去は変えることが出来ませんので、これから先の支出を抑えるためにも必ず1度は電力会社の乗り換えを検討することをお勧めします!

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